2023/06/22
2023年2月、韓国では朝鮮半島の平和統一に関心を持つ市民らが集い、各地で行事が行われました(圏域別2023統一指導者大会)。この行事は統一を実践する人々(AKU)、大韓民国憲政会、社団法人大韓老人会、大韓民国在郷警友会、社団法人韓国芸総、韓半島統一指導者総連合の共同主催で行われたものです。
その中で、グローバル・ピース・ファウンデーション(GPF)理事長であるヒョンジン・プレストン・ムン氏の基調演説には統一への指針が示されており、今回はそのポイントと、これまでの南北統一市民運動の全体的な経緯、そして各地の大会の様子をお伝えします。
※この記事は韓国のウェブサイト『コリアンドリーム』の記事を翻訳したものです。
(元記事:https://www.kdtimes.kr/news/view.php?no=1405)
コリアンドリームに対する情熱は熱く、歓声は力強かった
「2025年光復80周年 コリアンドリーム1000万人キャンペーン」を2年後に控え、大韓民国と世界の指導者たちに世界平和と南北統一の必然性と重要性について気づいてもらうために企画された「2023統一実践大会」だ。2023年2月2日釜山(釜山-蔚山-慶南)大会を皮切りに、4日光州(湖南圏)、11日天安(忠清圏)、18日大邱(大邱・慶北圏)大会を順に行い、2月21日ソウル大会で幕を閉じた今回の大会は、一言で「熱狂のるつぼ」だった。大会の会場ごとに数百~数千人の参加者が歓呼し拍手喝采を送ったのは、彼らの統一に対する熱望がどれほど強烈であるかを示したものでもあるが、グローバル・ピース・ファウンデーションのヒョンジン・プレストン・ムン理事長が唱えた「コリアンドリーム」が、如何に南北統一の強力な代案であるかを肌で感じる参加者の熱烈な呼応によるものであった。
何よりもヒョンジン・プレストン・ムン理事長の基調演説が会場を熱くした。拳をぎゅっと握って訴えたり、手を差し出して説得したり、唇を固く噛んで覚悟を決めたりしながら、コリアンドリームの実現が南北統一にあることを力説した。そして、参加者たちに「コリアンドリームの南北統一運動に参加しよう」と叫ぶと、演説に感動した大多数の聴衆は拍手喝采と歓呼で応えた。
「南北統一の偉大な精神は、世の中に広く利するという『弘益人間』です。そして、その偉大な行動様式は、非暴力抵抗運動である『3·1運動市民の力』です。歴史的な事件は、ある一人の力でなされるものではありません。最高の共産主義国家だったソビエト連邦が崩壊すると誰が考えましたか。ベルリンの壁が一夜にして崩れると誰が信じましたか。このように、歴史の変曲点には、時代の召命に応え命をかけた市民がいました。そして、今こそ時代が要請することに市民が応えなければならない歴史的な時なのです。皆さんはコリアンドリームの主人です。統一運動に多くの若者を呼んでください。皆さんのお子さんたちも参加させてください。そうすることができますか。それができるなら、『アジュ』と叫んでください。『我』と『主』を組み合わせて作った言葉、『私が主人』という意味です。私が提供した挑戦課題よりもっと大きな成果を出すという方々、コリアンドリームの主人精神を持った方々は全員立ち上がって、アジュと叫んでください。アジュ!アジュ!アジュ!」
ヒョンジン・プレストン・ムン理事長の南北統一と世界平和運動は、2010年の「コリアンドリーム」構想発表から始まった。この構想は、2012年に設立された「統一を実践する人たち(AKU)」を先鋒に、世界的な運動へと跳躍した。AKUには現在1,000以上のNGO団体が所属しており、米国と日本、英国に支部を置いている。AKUが展開する南北統一運動と世界平和運動が世界の人々の心をとらえたのは、ムン理事長の著書『KOREAN DREAM 統一コリアへのビジョン(2020)』の出版以後だ。ムン理事長が米国をはじめ、アジア、南米、アフリカで世界平和運動を展開している間、韓国ではAKUの徐仁澤(ソ・インテク)会長がムン理事長のコリアンドリームの伝道師として乗り出した。彼はこれまで昼夜を問わず全国を回りながら統一の時が来たことを宣布し、統一運動の偉大な精神である「弘益人間」と、その行動様式である「3·1運動市民の力」について講演した。
「キリスト教を中心とした米国に『アメリカンドリーム』があるように、私たちにも『コリアンドリーム』が必要だ」と語り、「コリアンドリームは南北統一の成就にあり、その精神は弘益人間だ」という徐仁澤会長の講義は、大韓民国の各地で反響を呼んでいる。社団法人大韓老人会をはじめ、大韓民国在郷警友会、大韓民国憲政会、社団法人韓国芸術文化団体総連合会、韓半島統一指導者総連合などが、相次いで「コリアンドリーム」への参加を明らかにし、最近では脱北民たちが結党した政党である南北統一党などが、統一の担い手として活動することを約束して参加した。
このような長年の努力は、ついに2023年2月に全国主要圏域を回りながら開催した統一実践大会として花開いた。同大会は、「2025年光復80周年 コリアンドリーム1000万人キャンペーン」を控えて、これを伝えるために開催された行事だが、2025年1000万人キャンペーンの成功の可能性を予測するには十分なエネルギーに満ちたものだった。
釜山ベクスコ・オーディトリアムで2月2日に行われた釜蔚慶圏大会は、2800人余りが席を埋め尽くした。ヒョンジン・プレストン・ムン理事長は、基調演説で「私が著書『コリアンドリーム』を書いてから、全世界の指導者たちに影響を及ぼしている。韓国の歴史の中で、韓国のビジョンが他国の人たちにインスピレーションと共感を与え、共に行動したことがあっただろうか」と語り、「偉大な弘益人間の理想で私が主人となり、コリアンドリームに参加しよう」と叫んだ。
朝鮮大学校光州ヘオルム館で2月4日に開かれた湖南圏大会には、1000人余りが参加した。聴衆はとても積極的で、ムン理事長の基調演説に一斉に起立拍手を送り歓呼した。韓国芸術文化団体総連合会の李範憲(イ・ボムホン)会長は、歓迎の辞で「コリアンドリームを中心に、南北文化の道に大韓民国の位相が広がっていくように役割を果たす」とし、「私たち皆が主人となって、統一運動の先頭に立とう」と語った。韓国文化交流会のカン・ウォング中央会長は、キャンペーンについての感想で、「徐仁澤会長の講義を聞いてムン博士のコリアンドリームを読んだが、呆れ返るほどに感動したので光州での講義を要請し、300人が一緒に聞いた」とし、「統一の熱望が叶うという希望が膨らむ」と語った。
忠南天安市庁ボンソホールで2月11日に開かれた忠清圏大会では、800人余りが席を埋め尽くした。歓迎の辞で安燦一(アン・チャンイル)統一天使常任共同議長は、「統一指導者の方々がたくさん来てくださり、熱い統一の熱気が北朝鮮の地に伝わると確信している」とし、「忠清道は3·1万歳運動に火をつけた柳寛順烈士、虹口公園で爆弾を投げた尹奉吉義士が生まれたところであるだけに、忠清圏の子孫である私たちが統一の先頭に立とう」と激励した。ヒョンジン・プレストン・ムン理事長は、ここでもコリアンドリームを説き、統一運動の主人になろうと強調した。
大邱EXCOコンベンションホールで2月18日に開かれた大邱慶北圏大会には、1500人余りが参加した。この日の大会には、李喆雨(イ・チョルウ)慶北知事が直接参加して感想を述べた。李喆雨知事は「統一を成し遂げるためには、精気、精神がなければならないが、慶北地域は唐を追い出して三国を統一した地域」だとし、「慶北の統一精神で統一を成し、新しい国を作ろう」と明らかにした。パク・ヨンソク2.28民主化運動記念事業会長は、「大邱慶北は国債補償運動の本拠地であり、近代産業化の地であるから、ここから始めてはならないということはない」とし、「ヒョンジン・プレストン・ムン理事長が語るコリアンドリームの大長征はここから始まるが、統一運動に国民の一人として熱心に参加する」と述べた。ムン理事長は、基調演説で「20世紀の植民地支配から国家主権を取り戻すために憤然と立ち上がった先祖たちの声を忘れてはならない」とし、「その声と精神で、21世紀の統一運動の先頭に立とう」と述べた。
20日間にわたる全国ツアー統一実践大会の大長征。そのフィナーレは、ソウル汝矣島63ビルのグランドボールルームで行われた2月21日の「2023統一実践指導者大会」だった。先立って4ヵ所で行われた大会とは異なり、この日の行事には「指導者」という名前がついた。文字通り、統一指導者600人を招待して行われた行事だった。同大会で目を引いた人物は、南北統一党のチェ・ジョンフン代表だった。彼は、北朝鮮で国家安全保衛部保衛指導員の息子として育ち、2006年に韓国に渡った彼は、脱北民2万人余りが参加する政党「南北統一党」の代表である。2020年に結党して苦労してきたが、これまで国会進出の願いを叶えることができない中で、コリアンドリームに合流した。チェ・ジョンフン代表は、「昨年10月、李相振(イ・サンジン)会長に会い、徐仁澤会長のコリアンドリームの講義を聞いて、統一は盗人のようにやって来ると思った」とし、「統一は市民が共にしなければならないということに共感し、2300万人の北朝鮮同胞を救うために勇気を出して戦う」と語った。
ヒョンジン・プレストン・ムン理事長は、最後の基調演説で渾身の力を注いだ。彼は、「皆さんはこの国の指導者だ。政府指導者のことではなく、市民社会と団体を代表する方たちだ」とし、「20世紀の苦難を乗り越えて、我が民族が立ち上がったように、コリアンドリームで朝鮮民族の声をもう一度高め、大韓民国の国民と人類に希望と勇気を与えよう」と述べた。彼は、同時に「来年再び訪ねて圏域別行事をもう一度行う」とし、「その時は、青年たちを連れてきて、子供たちを連れてきて、行事に1万人ずつ集まろう」と強調した。
文/シン·サンドク編集委員
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